転職の面接で離職率は聞いていい?調べ方とミスマッチしないためには
普段、転職エージェントとして、よく聞く相談や質問内容に
「この求人企業の離職率ってどれくらいですか?」
というのがあります。
たしかに離職率は職場環境を推し測るために確かに指針のひとつにはなります。
私も以前に勤めていた会社で3年以内の離職率95%の会社に転職した経験もあり、
離職率が高いというのはそれなりに理由があったりします。
とはいえ、離職率を面接の場で聞いてもいいものなのかということは気になりませんか。
そこで、今回は面接時に離職率の質問をしてもいいものかについてと、事前の調べ方、
離職率より気にした方が良いミスマッチについて解説していきます。
転職活動の情報収集の一環として、お役立てください。
転職の面接で離職率は聞いていいもの?
まず、転職の面接で離職率は聞いていいものかどうかについてですが、選考面接の場では聞かないほうがいいでしょう。
選考面接では、あくまでも応募者がアピールする場面です。面接で離職率について聞く機会があるとすると、応募者からの質疑応答の機会になると思いますが、この質問もご自身をアピールする場面の一環です。
もちろん、業務上で気になることや懸念されていることを払拭することはいいのですが、選考面接の場では、あくまでも仕事についての質問に留めておくようにしましょう。
基本的には選考面接の場では離職率に関する質問はしないほうがいいのですが、離職率を推し測るヒントとなる質問の方法はあります。
それは、今回の求人募集の背景と過去に退職された方の情報です。
求人サイトを見て募集の背景が書いてあれば、確認の意味を込めて質問する。そこで欠員補充の場合であれば、前任者が辞める、もしくは辞めたになるので、退職された理由をもし知っていれば確認する。というような感じで聞くのはいいと思います。
これだけですと、具体的な離職率は図れませんが、欠員補充による退職理由ではっきりした理由が出てこないようであれば、なにかウラがある可能性もあります。
で、そのあたりの理由が払しょくできないようであれば、内定を獲得したのちのオファー面談時に人事との面談で事前に離職率を確認する。
という感じで確認するのはアリです。
選考面接では離職率をストレートに聞かないほうがいいですが、内定獲得後のオファー面談であれば、話は別です。
オファー面談は条件確認面談ですので、就業環境など気になることがあれば、ガンガン聞きましょう。それこそ、選考面接では聞かないほうがいい、残業時間や昇給の伸び幅など、ざっくばらんに聞いてみていいです。
なので、離職率を気にしているのであれば、選考面接時ではなく、内定獲得後に確認するといいでしょう。
離職率の調べ方は
離職率の一般的な調べ方ですが、まず対象となる期間を決めます。通常、中途採用の離職率を図る場合ですと、1年間で測ることが多いです。
たとえば、3月が期末の会社の場合で、直近の離職率という場合、
2016年4月~2017年3月が期間となります。
では、離職率の算出方法ですが、次のような感じで計算できます。
「離職率(%)」=「当期間内の離職者数÷当期首(または前期末)の在籍者数×100」
ひとつ例を挙げますと、従業員100人の会社で1年間に10人退職した場合の式は、
10÷100×100=10%
なので、この会社の場合の離職率は10%となります。
ただし、これはあくまでも会社全体の離職率の調べ方です。
もし、離職率を聞くのであれば、会社の離職率を聞いてもいいですが、中途入社における離職率も聞いてみてもいいかもしれません。
ただし、そこまで計算している人事はなかなかないと思いますが。。。
あまり大きい会社ではない場合、昨年1年で中途入社された人数とそこから退職された人数を聞いてみてもいいかもしれません。
この場合の中途採用における離職率の算出方法としましては、
「離職率(%)」=「当期間内の離職者数÷期間内の中途社員入社数×100」
で、求められます。
もし、離職率を気にされるのであれば、中途入社における離職率を見てみてもいいかもしれません。
ちなみに会社の離職率について、会社設立からの離職率を調べるのはほぼできないと思っておきましょう。もちろん、会社側もデータは残していないところがほとんどだと思います。
離職率よりミスマッチしないことが重要
ここからは個人的な意見ですが、離職率が気になるのは分かるのですが、離職率よりもその職業をなぜ辞めるのか、であったり、自分が退職をするであろう理由を明確にしたほうがいいように思います。
職業を辞める理由については、未経験職種にキャリアチェンジするときは、しっかり調べた方がいいでしょう。
なにを調べるかというと、その仕事から大変なところが自分自身は耐えられることなのかどうか、また今回の退職理由とかぶるような内容ではないかどうか。というようなところですね。
例をひとつあげますと、営業から事務へキャリアチェンジを希望しているが、営業職の電話応対が嫌で事務職を希望しているとします。
しかし、事務職でも電話の取次ぎのための電話対応は普通にあります。そうすると、それが理由で、また退職をしてしまうかもしれません。
この場合、離職率うんぬんではなく、ミスマッチによる早期退職という感じになります。
なので、この場合ですと、なぜ電話応対が嫌なのかをはっきりさせる必要が出てきます。
営業の場合ですと、緊急の電話などがかかってくることが多いから嫌なのか、なぜ嫌なのかをはっきりさせることが大切です。
ポイントとしては、自分自身の退職理由がなんなのかを書き出してみるといいでしょう。
人間関係による退職理由も同様です。どのような扱いをされると自分が嫌なのか。ということをある程度、わかっておくことが重要です。
まとめ
転職の面接で離職率のことを聞くことは極力避けましょう。
どうしても聞きたいのであれば、内定を獲得してからオファー面談のときに聞いてみるといいと思います。
離職率の調べ方は
「離職率(%)」=「当期間内の離職者数÷当期首(または前期末)の在籍者数×100」
ですが、会社における離職率よりも中途入社における離職率のほうを気にしてもいいかもしれません。
小さい会社であれば、過去1年で何人入って何人辞めたかというのは、なんとなくわかっていると思いますので、
オファー面談のときに確認してみるのもいいでしょう。
とはいえ、大事なことは離職率よりもミスマッチをしないことのほうが大切です。
ミスマッチしないためにも、これまでの退職理由であったり、自分自身のなにが嫌なことなのかを知っておくことは必要でしょう。