転職を繰り返すことは悪いこと?不利となる理由について
もう辞めたい・・。
新しい職場へ転職してきたもの、やはり転職前に思い描いていた未来と現実のギャップに悩まれてはいませんか?
気が付けば、また転職を考えてしまう。
これって実は病気なの??
ひょっとしたら、そんな風にも感じてしまっているのかもしれません。
そこで今回は、転職を繰り返してしまう理由について、ひとりのキャリアコンサルタントの立場として少しお話しますね。
転職を繰り返すことは悪いこと?
私も日々、転職エージェントとして、様々な転職相談を承っております。
はじめての転職という方もいらっしゃれば、何回も転職を繰り返してきている人もいます。
過去に転職を繰り返してきた方のなかには、30代後半で10回近く繰り返していた方も見たことはあります。
それはそれで、逆にスゴイな。と思いますが・・。
さて、私は仕事柄、転職相談の際には、転職や退職理由を伺います。
給与アップ、キャリアチェンジ、結婚などの生活が変わった、勤務場所が遠い、人間関係・・・・。
本当に様々な理由があります。
では、転職を繰り返すことは悪いことなのでしょうか。
これは理由によります。
まず転職を同じ理由で繰り返してしまうのは、堪え性がないと判断されやすいので、要注意です。
例えば、人間関係による転職を2回繰り返してしまうといった感じです。
ちなみにキャリアチェンジも2回以上繰り返してしまうとかもマイナス評価になりがちです。
一度、キャリアチェンジしたもののやはり違うといって元のキャリアに戻るのは、ギリギリ許容されるかなといったところです。
この場合の例として、もともと営業職で働いていましたが、事務職へキャリアチェンジしたものの、物足りず営業に戻るといった感じです。
では、転職を繰り返しても認められる場合というのは、どのような場合でしょうか。
これは二つ考えられます。
一つ目は、総じてのキャリアについて一貫性がちゃんとあるということ。
もうひとつは、退職理由より今までの経験が素晴らしく、入社後に即戦力として活躍が期待されるケース。
つまり、退職理由は気にしないってことです。
それぞれ少し説明しますと次のような感じです。
キャリアについて一貫性がちゃんとある
これは社会人になってから現在に至るまでのことを総じてみるということです。
例えば、32歳で転職回数は3回あるとしましょう。
一般的な30代の平均転職は、おおよそ2回ですので、転職回数3回はやや多いですよね。
それぞれの転職理由について、筋が通った理由と一貫性があれば、面接官も納得する可能性は十分あります。
ぱっと思いついた例としては、このような感じです。
32歳男性:大卒(社会人歴10年)
1社目(2年):営業職
→個人営業がメインだったので法人営業に挑戦したく
2社目(3年):営業職
→違う業界の営業に挑戦したく
3社目(3年):営業職
→同僚に新規事業の立ち上げを誘われたため
4社目(3年目):営業職
→新規事業が上手くいかないため
ちょっとぶれているところもありますが、ずっと営業職として頑張ってきたため、それなりに一貫性はあります。
これがたとえば、一旦キャリアチェンジをしていても、また元々の職種に戻ってきて長く続けていれば一貫性としては、やや欠けるもののそれなりに納得感はあるので、納得する面接官もいらっしゃるでしょう。
そもそも気にしない
これは、よく出入りが激しい企業によくあるケースです。
わかりやすくいうとブラック企業というやつでしょうか。
私自身、あまりブラック企業という言葉が好きではないのですが。
この記事上でのブラック企業の定義は、社員を会社のコマとしてしか見ていなく、長時間労働を半強制的にさせてしまうような環境もしくは、
社長や決裁権者がとにかく現実的に達成できない結果しか求めていないような会社とします。
あ、離職率が1年間で50%以上超えているようなところでもいいでしょう。
要するに社員の入れ替わりが激しいところですね。
3か月で社員が3人以上入って、2人は退職するような環境ならとにかく猫の手も借りたい状況なので、気にせず働いてくれればなんでもって感じです。
そのようなところであれば、退職理由は気にしないっていうところは多いように感じます。
なので、転職を繰り返すのは悪いというわけではないですが、採用される企業が限られてしまうという事実もある。
そのことも認識しておく必要がありそうです。
転職を繰り返すと不利なのはなぜ?
では、転職を繰り返すと不利になるのはなぜですが、私は2つあると思います。
ひとつは、先ほどもちらっとお話しましたが、堪え性がないというレッテルを張られてしまうこと。
このレッテルを張られることにより、応募先でも同じように長く勤まらないのではないかという印象を受けてしまいます。
なので、転職回数が少ないひとと同じ土俵に上がると、転職回数というハンデを背負うというイメージをもつとわかりやすいかもしれません。
よく求人企業によっては、転職回数で制限しているところがあります。20代なら1回、30代なら2回までといった感じですね。
それ以上の転職を重ねていると応募すらできない門前払い状態となります。
これは不利というか制限の話ですね。
で、ふたつめですが、経験が疑われるという側面もあります。
たとえば、それぞれの在籍年数が3年未満で転職を繰り返してしまった場合。
企業によっては、応募職種の経験はあるのだろうけど、長続きしないということは、そもそものスキルについて、疑問を持たれるようです。
その仕事が長続きしないということは、その仕事が向いていない、専門職の場合だと、ひとつのところで長年の経験がないと、
中途半端な知識となっているので、ある意味、未経験の方よりも伸びしろがないと判断されてしまうといった例もなくはないですね。
これら不利な点を払拭するには、望ましい転職理由としては、キャリアについて一貫性があるかをどれだけ相手に伝えられるか。
ということが重要ではないかと思います。
転職を繰り返してしまう理由について
では、転職を繰り返してしまう人の理由ですが、総じて見られることは、不安が大きいということです。
今の職場で長続きしないのではという不安が強くなってしまうという感じでしょうか。
よく転職希望者の履歴書の志望動機や職務経歴書の自己PR欄に”最後の転職”という言葉がでてきます。
要は貴社で骨を埋める覚悟で応募してます。っていう意味だと思うんですけどね。
個人的な意見としては、すごく違和感を感じます。
印象としては、骨を埋める覚悟というより、今の不安を払拭して腰かけたい。という依存の気持ちが見え隠れするといいますか・・。
しかも、この最後の転職という言葉は、転職を繰り返す人ほどよく使うように思います。
最後の転職という言葉は、あんまりアピールにはならないので、極力入れないほうがいいですね。
ちなみに、企業によりNGワードというものが存在します。
NGワードが入っていれば、どんなにすばらしい経歴でもそれだけでお見送りとなることもあるようです。
この最後の転職もNGワードに入れている求人も過去にはありましたので、そういう意味からも、あんまり使わないほうがいいです。
少し話が脱線しましたが、職場というか新しい環境に不安を解消したい。という青い鳥を追いかけてしまうことが転職を繰り返してしまう要因のひとつではないかと思います。
で、最後に転職を繰り返さないアドバイスとしては、職場の環境やお金だけではなく、仕事のことを軸として考えるといいです。
職場環境やお金となると、自分ではどうしょうもできない部分が多くを占めます。
しかし、仕事はある程度、選ぶことができますので、自分がなにをしたいのか、どのような仕事なら満足するのか、3年後や5年後はどうありたいのか。ということを自問自答していくと、不安は少し払拭できるのではないかと思います。
まとめ
では、今回の記事のまとめです。
転職を繰り返すことは悪いことか。これは理由によるでしょう。決して悪いことではないのですが、転職を繰り返すと将来の選択肢も狭くなってくることも覚えておきましょう。
転職を繰り返して不利となるのは、堪え性がないことによる長期就業に対する懸念が払しょくしにくいことと、そもそもの職業経験に対する不安視される可能性があるためです。
転職を繰り返してしまう理由は、多くは今の職場の環境や仕事に対しての不安が大きくなり、不安を解消したいからではないでしょうか。
その不安を転職以外でも自己分析などで解消できる可能性もあります。なので、今一度、ご自身の状況を見つめなおしてみてもいいかもしれませんね。